2008年6月6日金曜日

中国の旅



以前中国を旅していたときのこと

友達兼ガイド役のウォンさんと
観光地とはまったくかけ離れた
海岸沿いを車で旅してたときのことである

日本では見慣れぬ丸形の古いワンボックスカーで
舗装されていない狭い路地を
汗ばむ手にハンドルを滑らせながら通り抜ける

ここらあたりは水郷地帯なのか
無数にあるため池と曲がりくねった水路の水は
今にも道路に溢れんばかりの高さである
いやはや、こんなところで車をはめたら
さぞかし大変だろうと冷や汗が背中をつたう

わずかに車の轍よりも広い道を
事なきを得て通り抜けてしばらく走ると
日本の砂浜とはまた違った景色が目に入ってきた
さらさらとした海水浴場にあるような砂とは異なり
こちらの砂は幾分か泥の混じったような砂だった

それでもひさしぶりに風に運ばれてくる
潮のかほりは日本のそれとおなじもので
ウォンさんとふたりで海に向かって
大の字に両手を広げ
日本海まで届けといわんばかりに
歓喜の雄叫びをあげてみた

左右に伸びる海岸線を見渡すと
遠くに中国特有の豪奢な瓦屋根の
大きな建物が目に入る

体の小さなウォンさんを肩車して
海岸線を歩きながら
ここではどんな魚が釣れるだろうか?
キスとかヒラメとかいるだろうか?
などと話していると
風が急に強くなり始め
海もやがてざわついてきた

そのうちゴロゴロと遠くで
雷の音が聞こえてきたかと思うと
雨がポツリポツリと落ち始めてきた

なまり色の雷雲がみるみる近づいてくる
これはいかん!
急いでウォンさんを放り投げるようにして肩から降ろし
ふたりして砂浜をかけあがり車へ走る

というのも先に通った水郷地帯に
まとまった雨が降ると道路が寸断されて
帰るに帰れなくなってしまうのだ

降り始めた大粒の雨に濡れながら
ようやく車に戻り、ドアを閉める
あ〜〜急がないと帰れなくなるぞ
濡れた手でキーを回そうとするが
あせっているのか滑って回らない
よし、かかった
あわてて発進しようとするのだが
なかなか加速しない
それもそのはず
4速で発進しているのだ
あ〜〜〜もどかしい
はやく、はやく進んでくれ〜〜〜

...

...

...

と、ここで眼が醒めた

忘れないようにと
起きてすぐにヨメはんに話した

今朝のことである

「ふんふん」と生返事をしながら洗濯物を探し

...

「へぇ〜、アドベンチャーだな」と一言

...

執筆にあたり
若干手が加えられているが
二番寝入りで起きたときの夢だ

実は今朝は最初に起きる前も夢を見ていた
二度見ていたことになる
最初の夢はまったく別の内容の夢だが
ヨメはんにも話してない

ヨメはんに話すわけにも
ここで書くのも
ためらわれる内容なので
割愛させていただく
いひひ...

(冒頭の写真は、先日終えたばかりの我が家の水田です)

3 件のコメント:

  1. 実はウォンさんは女性です。小柄で、可愛い系の美女とまでいかないけど愛らしい方です。
    と、情景を想像して読むと、すごく爽やかなお話しに変化します。

    相手が相手ですが・・・。

    いや~~~っ!またバイトしてもうた~~!

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  2. 梅雨時分になると、こんなおとぎ話が本当の話のように聞こえてしまうのは何故でしょう。

    ウォンさんは、中国の方ではなく韓国の方ではなかったですか?

    今晩もう一度夢の中で出会って見てください。

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  3. 匿名さんへ
     言われてみればそんな気もしてきました
     もう一度会ったら聞いてみようと
     毛布にくるまって眼を閉じたのですが
     誰に会うことも、何処かで冒険するこも
     ありませんでした

     気長に待ってみます
     
     ありがとうございました

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